異文化体験記(?)

丸野
(ロンバルディ店主には売筋とは思えなかった?)


 大分経ちますが、パシフィコ横浜での旧車イベントで買った本について。

 
 いつもの自動車専門古書店ロンバルディで見つけたのがトップ画像・・・
 でした。ホンダの最初のF1挑戦に、設計者兼現地コオーディネイターとして帯同した丸野富士也 氏による体験談。その帯にもあるようにアドベンチャーすなわち「冒険記」と呼んでもおかしくない、非常に面白い文章でした。

 氏は秀才にして聡明(笑)醸造に関わる家系の生まれ故の鋭い味覚を持ち、なお驚くことに当時既にフランス語に(ということは英語は当然)堪能だった(!)という才人です。
 その才人にしてはじめて大過なくこなせたであろう異国でのレース・プロジェクトに伴う困難の数々。普通の人よりはそういった素養に恵まれていたのであろうとはいえ初めて触れる文化習慣への戸惑い。
 ホンダF1第一期の成功は、氏の力なくして成し得なかったことが読み取れます。中村監督をはじめとするスタッフがレースだけに集中できたのは氏のコオーディネイトがあってこそのことだったのです。

 自分が特に感銘を受けたのが「食」に関する記述でした。

 当時はまだ、一般家庭のお袋さんは毎朝鰹節か煮干で出汁を取って味噌汁を作っていた時代です(笑)スタッフのほとんどは、そんな意識すらなく
「米の飯がなきゃ・・・」
てな人たちだった筈です。というか
「米を食べない食事なぞ考えられない・・・」
レベルだったことでしょう。

 そんな彼等のために中華料理のテイクアウトを探し当て、なんとか満足して貰おうとその組み合わせ等工夫する氏。
 はじめて飲む数々のその地方それぞれのワインを
「これだったら、こう・・・」
と自分の中で咀嚼、理解しようとする氏。

 自分にはレースの本というよりはグルメの本、若者の味覚体験構築記(?)のように読めました。

 この文章は元々ホンダの社内報に連載されたもので、好評故に書籍化されたそうですがさもありなん、と思います。
 しかしロンバルディ親分は「売れない」と判断したようで(笑)非常にリーズナブルな値付けでした。毎度ありがとうございます。実際クルマ好きには今一かも、しれませんね(笑)
 そして版元、三栄書房さま新刊で買わず申し訳ありません<(_ _)>
2冊

 自分は日頃「外車」に乗る、所有することは異文化に触れるという点で海外旅行に等しい、と思っています。


 そしてその異文化を知るにはその国の「食」を抜きにははじまりません。
 実際自分の周りにもイタ車好きのイタ飯好きは多いのですが(笑)クルマ好きにとってのイタリアを伝えてくれるのが・・・

 コレ。ミケロッティとの深い関わりを持つだけにとどまらず一時はミケロッティそのものでもあった内田盾男 氏による、イタリア人とクルマ、イタリア人と食の関係を説く一冊です。

 そしてクルマについては触れていませんが・・・

 今では誰もが知る芸能人(?)P・ジローラモ 氏による自伝的エッセイ、氏の最初の著作がこれです。普通のイタリア人の(?)一般的生活を鮮やかに描き出しています。



 ヨーロッパ車とその根底に流れる文化、時代背景等に興味ある向きには以上3冊、何らかの発見を与えてくれると思います。

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  1. 2017/03/26(日) 10:36:31|
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Abarth Simca 1300


(ナンバー付きのアバルトシムカと国さん)


 ニューイヤーミーティングで購入した一冊。
 J・スチュワート駆るタイレル(当時表記w)が表紙の古~い・・・

オートスポーツ

AS.jpg

(今回散財はこれだけ・・・あまり貢献できなくて申し訳ありません)

 懇意の自動車古書店ロンバルディで、「この中すべて500円」コーナーで見つけました。

 手に取ると、ほとんど分断されかかっていて・・・それゆえのワゴンセール品(笑)なのでしょう。
 
よく見ると表紙最下段になんと・・・

高橋国光がアバルトシムカをテスト

 とあります。

「これは!とりあえず、問答無用で読まずばなるまい・・・」

と中を全く見ずに(本自体が壊れそうだったので開かずにw)お会計へ。
 
店主F氏はこの本の状態を見て

『これは・・・あげます』

「いや、そうはいかないでしょう」

こちらとしても、店内の他のお客さんの目もありますし(汗)

『じゃあ、100円で』

「ありがとうございます!」

ということで格安ゲット♪

(重ねて・・・関係者さまあまり貢献できなくて申し訳ありません)

 

 そのまま、まだ明るいうちに帰路へ。


 ユリカモメを下車、新橋「博多天神」で

豚骨ラーメン
てんじん 

(完全に乳化した白濁スープは粘度自体は低く
思いのほかさっぱり。
テーブル上の胡麻と紅生姜とのマッチングは鉄板。
500円と大変リーズナブル、しかも替え玉1ヶ無料。
で、ちょっと食べ過ぎたw
自分のように濃厚豚骨がやや苦手
な向きこそ一度チャレンジを・・・)

 なんぞ食し帰宅しました。


 さてそのオートスポーツ、巻頭折り込みポスター(笑)は・・・

Can-Amカー(マーチ707)

 ASPU.jpg
(ヘルメットに注目)
ドライバーは映画 グランプリ で・・・
gpv.jpg 
主演 J・ガーナーの吹替えだったC・エイモン

 でした。


 さて問題の、国さんのアバルトシムカ試乗記は、というと・・・

 AS1302.jpg
(持って帰る間に落丁しましたw)

 車両は'66年に輸入された1300で、なんと6速(!)

 それをアバルトマニアとして有名な自動車画家、熊沢俊彦氏(故人)が入手したのだとか。

 まずその美しさに驚いた、との記述が。

 ヒストリックカーという言葉自体がなかった当時の、退役レースカーとして見れば当然でしょう。

 オーナー氏の愛情により保たれた美しさ。
 ひょっとして氏の入手時より状態は良くなっていたかもしれません。

AS1301.jpg 
(拡大して読みたい向きはメールフォームから・・・w)

 試乗自体はジャーナリスト岡崎宏司氏の同乗
(=2名乗車)で行われたようで、国さんの口述筆記を氏が行ったかたち、なのでしょう。
 
当時のビッグマシンに乗り慣れているニッサン・ワークスのエース国さんにとってサーキットで1300、は少し物足りなかったようで(笑)動力性能について特に目立った記述はありませんでした。

 むしろ言及されているのはそのピーキーさ。オーナー氏がストリートカー(!)として使っていたことを考えると・・・

 乗れる場所や時間帯はかなり制限されていたのではないでしょうか?

 それでも乗りたい、所有していたいアバルト・シムカの魅力。
 自分は、理解できます。

 abarth-simca

 これは別の車両を描いた自分の作品。
 同じアバルト・シムカでも1300ではなく2000のヒルクライム仕様、かな?

 

 ちなみにこの絵を・・・

手漉きの土佐和紙に高品位転写した商品

 シムカ

(available,¥30,000)

 ご用意できます!
 ご興味ある方、京急新逗子駅至近 「食彩堂」 さんにて展示中です。

 よろしくお願い致します。

 今週はこの辺で<(_ _)>

  1. 2017/02/18(土) 22:56:13|
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書評:自分の車くらい、という熱意ある向きに!


(献本いただきました!)

 日刊工業新聞社さんの「自動車いじり関連最新刊」が届きました。ご厚意に感謝致します。


 懇意にして頂いている三樹書房さんの新刊
モータリゼーションと自動車雑誌の研究
 を通してやりとりがはじまったモータージャーナリスト 飯嶋洋治 氏。
 氏は参加型モータースポーツ誌「スピードマインド」編集長だった方で、その著作の最新刊がトップ画像・・・
もっと知りたい!自動車メンテとチューニングの実用知識
 です。早速一読致しました。

 自分はクルマ専門書店に関わっていた関係で、当時入手できたこの手の本、そのほとんどに目を通しています。
 その多くはメインテナンスに関しては初心者向け指南書か、自動車工学の解説に終始したもの、でした。
 一方チューニング・アップに特化したものは、そのHow toは詳しく書かれているものの全ては改造することが前提(!)チューニングとは良いもの(!!)というスタンス、でした。
 しかし、実際にそれらの本を手に取る層はそこまでやる、的なコアな人たちではなく・・・

 今すぐそこまで弄る(≒お金をかけるw)気はないものの、チューニングについては知りたい

 普段乗る(=ナンバーつき)車両でジムカーナやサーキット走行を楽しみたい

 自分のクルマくらいは自分(の無理のない範囲w)で弄りたい。小改造も。

 といった向きが圧倒的に多いことは自分の経験から断言できます。

 そして本書はそういったいわば中間層(笑)向けの自動車弄り関連本、その決定版(!)と言えると思います。

 著者の長いモータースポーツ参加経験に基く「等身大の」自動車メインテナンス&チューニング知識。それらを解りやすく、正しく順序立て丁寧に解説してあります。そしてそのスタンスはチューン前提ではなく
「こうすると良いのだけれど結構な手間だし、お金もかかるし、あくまで決めるのは貴方・・・」
という、読者への慈愛に満ちたもの(笑)なのです。

 かつては初心者だった著者がこれまで習得してきた、実際の作業と構造等自動車工学関連知識、その過程、実体験をなんとか伝えたい
「書かずにはいられなかった」
感が行間から垣間見える、見た目やその筆致よりずっと「熱い」本と感じました。

 当初は各論的に各項目詳しく書かねば、と意気込んでおりましたが蛇足と思えてきたので(笑)以上と致します。


  1. 2016/11/06(日) 13:17:59|
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Natural disaster:日本の自然災害

災害
(結構ごつい本、ですw)
 本屋時代へのノスタルジーでしょうか(笑)本の話題が続きます。


 九州地方における地震被災者の方々にお見舞い申し上げます。


 最初の地震、烈震とはいえ被災地域は比較的ピンポイント、のように思っていたら・・・とんでもない群発地震(!)当初
「さすが日本の建築。いきなり崩れたりはしない・・・」
と感じたのも束の間あれよあれよと震源域は拡大、強震の連続に倒壊も相次ぎ・・・
 早期の収束を願ってやみません。
(しかし相手は地球。人間の時間は地球にとっては一瞬以下・・・)


 このタイミングで以前仕事の待機中に読もうと買ってあった地図帳というか本・・・
 を引っ張り出して読み直してみると・・・
 改めてその内容に感服!早速レビューなんぞを書き、投稿しました。

:::::::::::::::::::::::
 

 さすが地図の昭文社!では褒め足りない素晴らしい編集。
 地震、火山はもちろん異常気象から原発まで、普通の人々の理解のための周到な配慮に加え、その歴史的かつ科学的調査考証は教科書レベル。 TVの解説では今一つピンとこなかった貴方の「なぜ」への 解答も見つかるかと。
 手に取った全ての人にとって役立つものを!という編集者の、読者への愛すら感じる入魂の一冊。
 2012年刊行でもその内容は少しも古びておらず、むしろ九州の惨事を経た今日その価値は一層の輝きを放とう。ドキュメンタリー的面白さもあり「一家に一冊」は言い過ぎではない。

:::::::::::::::::::::::
 と、こんな具合で☆☆☆☆☆、誉めておきました。
原発
 この本、自然災害だけでなく原発災害による放射能被害についてもよ~く解説しており、その解り易さは特筆すべきでしょう。
「ベクレル?シーベルト??」
といった疑問を一度でも持ったことのある向き(自分もです)には膝を打つ内容かと。

 ご興味持たれたなら、ご一読お勧め致します。

  1. 2016/04/24(日) 11:25:12|
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Antique?Used books:古書の世界

古書
(右がヘインズ・マニュアルより気持ち小さい)

 本の話題が続きます。

 先日の横浜でのヒストリックカーイベント、もちろんロンバルディさんのブースにも行きました。そこで購入したのがトップ画像の2冊。もちろん入場チケット付属の金券も使いました(笑)

 まず「世界のレーサー」秋田書店、’68年5月3版発行。
 著者池田英三氏が自動車レースに興味を持った若者(子供を含む、ようです)に対し解り易く噛んで含めるように丁寧に解説する本書、先日購入した「世界の自動車」の特集ページを膨らませたような内容で
― それもそのはず同氏による著述 ― その「膨らまし具合」に興味が湧いての購入でした。¥1,500。ちなみに当時の定価¥350でした(笑)
もくじ - コピー
見開き右頁・・・
 もくじ
同、左・・・
 この目次を読んでもらえば概ねの内容が想像して頂けるかと思いますがそれにしてもこの時代に、これだけ広くしかもそれなりに掘り下げてなおかつもちろん正確に世界のレース、ラリーについて書けた人物は日本にはほとんどいなかったはずです、氏を除いては。
色頁
カラー頁や・・・
 折り込み
折り込み頁の・・・
 写真も気が効いています。
 何より現在の目で見れば「当時のバリバリの現役レーシングカー」の写真です。レストアされたビカビカではない、リアルな雰囲気が伝わります。

 内容の懇切丁寧さが最も現れているのが・・・
運転法 
 運転法・・・
 の記述でした。これを読んで当時の子供たちはレーシングカーのスピードの魅力に想いを馳せたのでしょう(笑)

 もう一冊は・・・

Encyclopaedia of Classic Cars SPORTS CARS1945-1975

 クラシックカー辞典、戦後~’75年までのスポーツカー編、です。
 ¥500だったか¥1,000だったかのワゴンセール品でしたが’98年発行なのに1975まで、という謎の編集(笑)が目にとまりました。オイルショック(’73年)の影響を受けていない車、といった意味なのでしょうか?
 それに加え、手にとってパラパラと頁を捲るだけで感じる奇妙な感覚。
「なんだこれ?」
例えばAlfaRomeoの頁・・・
あるふぁ  
多くのカラー写真も使い・・・
 結構な紙面を割いています。同社の、自動車史における存在感からは納得の扱いでしょう。しかしSVZなんてマイナー車(失礼)を取り上げているのにも関わらず、当時最新のJuniorZが載っていないとか・・・

 いかにも英国的に(アカデミックな?)辞典としてあらゆる車、ブランドを等しく扱う、というポリシーなのでしょうが、この2車・・・
 同列
 
 かたや右頁は納得の超高級車、Facel Vega。対して左頁は単なる(失礼)クラシックカー・レプリカでしかないExcalibur(←ルパン三世の愛車として有名ですねw)が仲良く並んでいる(!)という驚くべき光景・・・
 その妙ちきりんさを、詳しく味わってみよう(?)との購入でした。

 2冊ともまだざっと眺めただけですが、仕事の待ち時間にでもじっくり読み込んでみたいと思っています。

  1. 2016/04/10(日) 19:26:27|
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