2-2)Abarth-Simca

simca コピー 
(available)
 自分の最も好きな一台、Abarth-Simcaです。
 同じアバルトのMonomille
モノM
が特に、バンパーを備える点とか、OHVであること等「実用性」(!)が感じられる所が好ましく自分の中でのThe best Abarthだったのですが、
ある日同型車

(=750GTザガート‘Wバブル’)
のRサス(と実際の走り)を見て「これは危険だ・・・」
と感じシムカに「鞍替え」したのでした(笑)
 引き締まったモノミッレのカタチも素晴らしい ―テールのエンジンフードの3次元「逆アール」なぞは他に類を見ない感服もの― ですが、より新しい同車は流麗さも感じられる点でスタイリングのレベルも上かな・・・等々と、よくある無責任な「理想のクルマ」談義的な話ではあります。
 このイラストはある年のモテギ、ネコデイでのショットです。
 広いパドック、路面の駐車区画ラインの写り込み、よーく見ると隣に停まっているアルファ164の姿も見えるでしょう。
 この頃から、自分のイラストの題材としての写真は 

 基本的に自分で撮ったオリジナル・ショット(≠ 雑誌掲載写真)に限る

ことにしていました。まあ誰かに貰った写真でもオリジナルならOKという意味で「基本的に」をつけていますが、とにかく
「この絵、あの雑誌の何頁のあの写真だ」
と判ってしまうのはやめよう!との決意でした。 その発端は著名イラストレーター某氏(!)の作品のなかに外誌(含、著名国内誌)掲載写真を元とするものが散見され「何だかなあ・・・」と軽い幻滅を覚えてのことでした。
 加えて、特に旧いレーシングカーのショットは見たい所がよく見えないものが多くそのディテールを知るため別の資料を当るという手間が、嫌いではないものの常に必要で時間がかかる(=すぐに取り掛かれない)のが難点だったこともあります。
 おまけにその部分はレースごとに改造、アップデイトされたりしている場合が多々あり、スケールモデルの世界よろしく「何年のどこそこのレースの誰々仕様」のサーチにまで発展したりすることが往々にしてありました(泣) そしてそうしなければそのイラストの正当性というかリアリティが減じてしまう、と本気でそう思ってもいたのでした(@_@;)
 その点、自分で撮った写真なら「実車」はそこにありすべては一目瞭然、時系列も「今」と明確、疑問の余地はありません。

 以来「実車」と「今」にはこだわっていこう、と決めたのでした。

 このことを他人に話すと「そこまで・・・」と笑われるか、引かれてしまう(!)ことが多いので・・・格好良く説明するため「絵は3次元の立体を頭の中で2次元、平面化することでもあり、それゆえ表現できない(=描けない)向こう側(=裏側)を描かないまでもわかっていることが重要で、それが描く上で自信というか確信に繋がるのです!」などと強弁していました(笑)

 そしてこのイラストを現地出店展示していた後年の、これまたネコデイ・・・
 nd_2013121515104616f.jpg
くるま工房やまもと主宰山本氏と
 あるお医者様(多いですね)がこの作品を見染められ、お買い上げになろうかとするとき何気なく伺った一言
「当然ですがアバルトシムカにご興味おありで・・・?」
 「・・・シムカじゃないけれど・・・モノミッレを持ってます。」とセンセイ。
「ひょっとして今日、そのクルマでいらっしゃってる?」
 「参加してます。」
「だったらそのクルマを描きましょうよ!ホンモノのアバルトを、実際にお持ちの方がいくら名車とはいえ他人のクルマですよ。知らない人のクルマの絵を飾ってたって・・・ぜひ描かせて下さい!」 ・・・

 さっそくデジカメを持って「取材」です。
MM - コピー 
モノミッレの所までご同行願いながらアレコレ伺います。
これも上記「自信」のためです。 実車の廻りをグルグル回りながらディテールを含め結構な数のショットを撮影しました。
 先生のモノミッレは前述の「実用性」仕様ではなく極初期の、丸テール、口なし(=Rラジエータ)ライトカバーつき、という仕様でした。
ちなみに自分、真っ赤なダイハツ・コペン

(唯一欲しい国産「絶版車」)
を見るとこの車を想起します。
 そうして、最終的に決まったのがこのショットでした。
 実際の作品は、というとまあほぼこの通りの仕上がりで・・・というのも、完成品はすぐに発送してしまい画像を撮っておくのを忘れたのした。
 きっと先生の病院の一室に今も飾られていることでしょう。

スポンサーサイト
  1. 2013/02/24(日) 10:52:08|
  2. Illustration&Work
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

3-1)MOTO2:ポスター


(400㎜×545㎜ available)
 2輪続きで・・・ポスターの話をしましょう。
 その昔少年漫画誌や青年誌の裏表紙に広く掲載されていた、今は廃業してしまった専門店「岩下レーシング」
の広告を覚えている方はいらっしゃるでしょうか。
 当時は車や映画スター
アイドルからヌードまで、各種印刷ポスターはおよそ800円でどこでも
(ex.旧東急文化会館6階)手に入りました。
 しかし今では大判印刷はオンデマンド出力が主流、印刷ポスターはほとんど見られなくなりました。 あっても雑誌の付録の、折り目のついたもののみ(笑)です。 OA屋さんに行けばどんな画像でもポスターにしてもらえる便利な世の中にはなりましたが、その敷居(と価格)の高さはあるようで、書店在籍時「ポスターを…」というお客様は絶えませんでした。

 そんなある日、自分非番の月曜日店頭に
 「バイクの、それもカワサキのポスターを!」とおっしゃるお客様があったそうな…。
 当日店番の、自分が絵を描くことを知っていた同僚は
「残念ながら今ご案内できる商品はありませんが、うちの店長がオーダーで描きますよ。」とプッシュ。
 「そりゃあいい。ぜひ!」
そんなやり取りがあったことを受けて即、仕上げたのがトップ画像の作品。

 そしてまた別のある日
 「フェラーリ・ディーノのポスターはないか?」とおっしゃるお客様が・・・。
その方(お医者様でした)曰く
 「自分が同車を所有しているわけではなく、従業員(=看護師、♀)が好きだというので、プレゼントする。」
とのこと。
 
 ところがやはり適当な商品は見当たりません。上記カワサキの例と同様、自分が描く方向で話は進みはじめます。

「その方の誕生日ですか?」と自分。
 「否、成人式。それも女の子。」
若い女性がクルマ好き、それもスーパーカー好きとはなんと珍しい、もったいない(?)というか
 よくぞクルマ好きになってくれました!
といった半ば感謝の気持ち(!?)で、ただ描くだけではない、何らかのエクストラを、何かプレゼンを!との思いに駆られ
「だったら・・・成人式ということですし、晴れ着姿のその女性も描き加えるってのはいかがですか?」
 「・・・そんなこと、できんの・・・?」
「なんとかその晴れ着姿の写真を頂ければ・・・アナログCG(??)みたいなもんです(笑)」
 「素晴らしい!」・・・

 と店頭で思わぬ盛り上がりがあり、その場の思いつき(=デイーノと晴れ着女性の大判イラスト) にゴーサインが出ることになりました。
 「晴れ着写真はなんとか口実をつけて撮ります、用意します。」
「できれば何か踏み台に乗って、気持ち見おろす感じがありがたいです、車体の絵と合わせやすくなるので。」
 「わかりました。」
「ついでに顔写真も正面以外の角度で何枚か、お願いします。」
 「?」
「人物は写真の通りに描いても、似てない(と言われる)時がままあるので…(笑)」
 「なるほど・・・。了解しました。それも用意します!」
そして後日それら写真は本当に届けらました。わざわざ再来店、直接手渡し頂いた写真です。
 きっちりとした着付けでにっこり微笑む、同じ年頃の頃の薬師丸ひろこ風(笑)の看護師嬢。
 そうして出来たのが・・・

 納品当日、あれだけ入れ込めば当然かもしれませんが作品にはご満足頂けたようですし、 何より彼女にすればこれをプレゼントされてまあ悪い気はしないでしょう。ひょっとして
 「先日の撮影会はこのためだったんだ・・・」と分かれば泣くかも・・・(笑)
などと思いながらお渡し、お見送りしました。
 そう云えばその後の当のご本人の、ご感想をうかがえていないのが心残りではあります。
 また トップ画像、カワサキ・ポスターご所望のお客様とはご縁がなかったのか、その後お会いする機会は遂に訪れず、この作品は行き先を失い(!)未だに手元にあります・・・。 

  1. 2013/02/17(日) 15:50:06|
  2. Illustration&Work
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

3-0)MOTO!


(available)
 モーターサイクル・ファンの皆様、お待たせ致しました。そろそろ2輪の話をしましょう。

 2輪のイラストを手掛けるようになったのは高校時代、免許を取って実際に乗るようになってから、でした。

 自分がクルマを描くようになったきっかけであるスーパーカーブーム。それは云ってしまえば「お子様向け」でした。免許取得前の児童でも入れ込むことができたわかりやすさの一方2輪車は、やはりその乗車経験なしに熱中することは難しいのでは・・・?
・・・ということで、はじめての着彩イラストは、いわゆるストロボ・ライン、黄色と黒のヤマハ・インターカラーのYZR500とK・ロバーツ
(こんな感じのショット)
でした。作品自体は散逸(笑)残っていませんが当時愛読していたライダースクラブ誌内から取りました。わざわざ「着彩」としているのはそれ以前に、鉛筆デッサンやペンによる点描
(=線を描かず全て「点」の粗密で濃淡を表す技法。ex.顕微鏡スケッチ)
といった実験的作品
(こんな感じ・・・DUCATI多し・・・笑)
が幾つかあったからですが、そういった習作を経て得た結論は

 メカを描くってのは絵じゃなくて、それは製図

 という感覚でした。
 モーターサイクルの外見的魅力は機能美です。MVアグスタ

 (125と750)
といった少数の例外を除き、フルカウルの市販車など皆無だった当時は、剥き出しのメカニズムこそオートバイのカッコ良さの根源!だったように思います、そしてそのメカとは機械的直線と幾何学的曲線で構成される、ある意味「冷たい」塊りです。

 そこにフリーハンドの線は馴染まない、不確実な描線はそのメカの本質を「穢す」だけではないのか?

 その疑念は以降常に自分の中にありました。それゆえ自分にとってモーターサイクルとは「カクよりノルもの」となっていきました。K・ロバーツのYZRも人間(ライダー)がそこいて、メカの見えないフルカウルのレーサーだからこそ描いた、のでした。
 そんなある日、実家の店(肉屋でした)の横で作業(彫刻)に熱中していた時、芸術に理解のある、とある奥さん(=肉屋のお客さん)がそれに興味を示し、会話するようになり自分はクルマ好きであること、絵も描くということを話し、作品も見てもらうようになりました。幾日か経って、その奥様曰く
 「実は、息子もバイク好きで・・・」
英国旧車好きな息子さんにサプライズとして絵を贈りたい、とのこと。

 前述の「メカを描くのは・・・」の気分は依然として持ち続けているもののプレゼントと仰るなら!と俄然モチベーションアップ!!これまた当時の愛読誌バイカーズステーションからのショットでトライアンフ・タイガーカブ
(こんな感じでしたか)
を一気に仕上げたのでした。2輪を描くのは久しぶり、なおかつ(メカ丸出しの)旧車ははじめて!でしたが、初心者の頃よりバイクへの理解が深まっていたからでしょう、

 クロームメッキとニッケルメッキとアルミ鋳肌とアルミ・バフ面そして鋳鉄・・・を色鉛筆で描き分ける

 のは大変チャレンジングで、制作中は思いのほか楽しめ♪
(その面白さが、製図的描線という制約の苦痛を上回った・・・)
以降バイクを描くのが苦にならなくなったのでした。我ながら単純ですねえ(笑)
 タイガーカブは後日無事納品、お小遣い程度は頂きましたがそれ以上に「メカ=製図・コンプレックス」を払拭できたのが何より嬉しかったのを憶えています。
 その勢いで描いたのがトップ画像のDUCATI。エキパイ、描き忘れてますねえ・・・(汗)

  1. 2013/02/09(土) 21:37:43|
  2. Moto
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

1-1)ファーバー・カステルの色鉛筆

 
 自ら決めたこととはいえ

 外人住宅に武器(=イラストのことです)を抱えて単身乗り込み、無理矢理友人になって帰ってくる(!)

というミッション(?)を無事完遂した自分には後日、期待を上回る「報酬」がありました。 その報酬とは・・・

 自動車趣味の世界が、特に人脈面において飛躍的に広がった

ことでしょう。 なかなか経験し得ない、実体験に基くスーパーカーの話も沢山聞くことができました。
 そしてもちろん実弾(=金銭的報酬)もありました。

 イラスト納品後のある日ティペットさんから電話が・・・依然として電話での英会話はハードではあります。
 『絵の代金を振り込みたい。○○(筆者本名)の取引銀行と口座番号は?』
『□□銀行京急**支店(普)#・・・・・・・』
 『・・・KQ?』
『ケイキューとはアルファベットじゃなくて、京浜急行の略で・・・(汗)』
 『わかった。後日で良いのでインボイスを送ってくれ』
『インボイス?・・・通関書類??』・・・領収書の事でした(汗)

といったやり取りの後イラストレーターとしての、記念すべき初の報酬として結構な金額が振り込まれたのであります。
 その額は・・・残念ながら不明です??振り込みだったため実感が薄く、ホントに覚えていないのです。 ただ今回の初収入、それもまとまった額です。

 何かカタチに残る、有効なものにしよう!

ということでイラストの収入はイラストに還元すべく、画材に投資することにしました。色鉛筆と机です。
(実際には両方で足が出ました・・・)
 机は渋谷の東急ハンズで、角度可変の製図台のようなヤツを入手しました。持ち帰りは重かったです(笑)角度可変のジョイント部分は薄板重ね合わせの「多板クラッチ」構造
 
になっており軽くノブを締めるだけで固定されます。大変使い易いです。
 そして自分のメインの画材である色鉛筆ですが、当時発売されたばかりのファーバー・カステルのポリクロモス「木箱入り100色セット」
 
を近所の画材屋で買いました。当時聞いた限りでは「世界初の」100色セット、それも豪華木箱入り!ということで一般誌にも取り上げられたくらいの商品。今思えば時代が時代だけに「バブリー」な感じもしますね(笑)
制作中
(灯りは以前から自然光に近いヤツを使ってます)
 色鉛筆は自分にとって、それこそ小学生時代から馴染みの深い画材です。それまでは三菱のUNI36色セット(思えばこれも小学4年の時の「動物絵画コンクール」優秀作品の賞品!)をメインに、色々なメーカーのいろんな色をバラで買い足し買い足ししていて結構な本数に、それも引き出しに入れてガシャガシャってな感じになっていたのでした。
 それを整理したい気持ちもありましたが、ファーバー・カステルを選んだのはまとまったセットだったからではなくそれまで永い間、結構な種類の製品を試し結果として「そこに行きついた」ものなのです。
 UNIは発色が素晴らしく、とてもきれいな絵が描けるのですが、塗り込んでいくとある一点からツルツル滑って、色が乗らなくなってしまいます。対してファーバーは一見地味なダークでマットな色合いですが、どんなに塗り込んでも問題なく混色し続けられ、しかもそのダークさがかえってというか独自のリアリティを引き出します。 自分の絵、義理の妹(漫画家です)が
「兄ちゃん、凄い塗り込み。油絵じゃないんだから」
と驚くくらいで(笑)それゆえUNIでもスタビロでもカランダシェでもなくファーバーなのです。
 同社は筆記具の世界的トップメーカーにして、18世紀に「鉛筆」をはじめて創ったパイオニアです。クルマでいえばベンツに相等するのでしょう。その名声についてはコレを買うとき、その画材屋で初めて知らされました。そしてそれを知らなかった当時に、そこに行きついた自分がちょっと嬉しかったことも憶えています。ちなみにカリスマ自動車評論家、福野礼一郎氏もその著作
 
でホメるべきモノとして同社(パステルでしたが)に触れておりました。

 そして同社の最上級商品は現在では120色(!)、木箱もモダーンになっておりました。




  1. 2013/02/02(土) 23:16:35|
  2. Tool
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0