Outcast?:Yamaha OX99


(あえて高位置に置いたエアロ兼用バンパーでストリートカーらしさを!
さすが由良さん!)

 ヤマハつながり、で行きましょう。

 

 マグネシウムの色・その2稿、自分のマグネシウム鋳造屋入社面接場面に出てくる6(×2=12)気筒のシリンダーヘッドカバーは・・・

ヤマハのF1エンジン
ox99e.jpg

(カバーFギアやWポンプも我社製品・・・)

 のものでした。そしてこのエンジンのスライドスロットルの部品がこれです。

yox88.jpg

 これはOリングを挿んで輝くエアファンネルが着く仕様( ↑ )ですが、吸気管長を極限まで詰めたかったのでしょう(?)仕様違いで、この部品の吸気口立ち上がり部分にアールを与えベルマウス形状にしているものもありました。

 ox88.jpg
(F1と言えど流石に長く、625mmもあります)

 そしてこのエンジンと、延長して「タンデム2シーター」としたカーボンモノコックを用いて文字通り

公道用F1

として仕立てられたのが、その名をエンジンと分け合う・・・

ox99.jpg

ヤマハOX99-11


 です。一部ではその超高価格設定(!)と相まってただのアドバルーン的な Show car と思われているようですが、ヤマハは本気でこの車を売るつもりでした。これを起爆剤として(スポーツカー専門の?)自動車メーカーとなる気だったのかもしれません。

 現在でもまだその気なのかも(最近もそんな動きがありましたねw)

 その「本気」の証左とは・・・
 このエンジンの部品のうち、重要な部分を結構な点数製作していた我社でしたが、このストリートカー開発を機にドンと受注が増えたのだそうです。そう、これは自分の入社前の話。主に社長から伺った話をまとめてます。

 ところがその、ざっと倍になった受注に対し職人の手が間に合いません。というのも(その仕事だけではないせいもありますがw)一つの木型に対して一人の職人が「抜ける」砂型の数はある一定数に限られる、からなのです。その作業形態を続けても足りないのなら残業するか
(冬場すなわちシーズン前は既に残業続き!)木型の数を増やすしかありません(=2人でやる)。しかし木型は非常に高価なもの(一式百万単位!)です。普通はやりません。
 しかしヤマハは違ったのです。
 (型を抜くのに時間がかかる)大掛かりな木型を追加で、ストリートカー用に新規に興したのです。ストリートカー用と言っても実際にバリバリの現役レースエンジンです。当然アップデイト(設変=小変更)も結構頻繁で、木型屋さんで加工中に鋳造が止まるのを嫌った、という面も大きかったようですが。

愛読書によれば・・・
似たような構造を持つスーパーカー
f50.jpg 
Ferrari F50
 は、エンジンとシャシーの間にラバー類を一切挿まない、剛結
(=F1由来、の車体構成)のおかげで・・・

 すばらしいまでに「正しく速く」走った。(原文まま)

 そうな。ただしそれゆえエンジンの振動騒音が乗員に伝わってしまい、いわゆる「音振」も相当酷いことになっているとか(笑)例えば
「どうせ聞えないから・・・」
と、はなからオーディオ類の用意がない(!)とかその荒々しさでもフェラーリらしくない、のだそうな。

 ということはシャシー、足回りはもちろんエンジンもほぼレーシングマシンそのものであるOX99も恐らくF50同様・・・

 走りはともかく(笑)洗練性を欠く

 スーパーカーだったことはほぼ間違いないことでしょう。そしてそれが市販化が頓挫した理由のひとつだったことも。
 

[Outcast?:Yamaha OX99]の続きを読む
スポンサーサイト
  1. 2016/09/25(日) 15:09:05|
  2. Magnesium&Race
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

Miss cast?:Yamaha YZR-M1クランク・ケース

gsvraf.jpg  rc211v.jpg 
(スズキ ↑ とホンダ ↗ のインジェクション部分・・・)

 クランクケースの話が続きます。

 ヤマハの依頼で250ccでしょう、2気筒のクランクケースを作ったことがあります。

 本社直属の、といわばワークス・マシンではありましたが純ワークスたるYZRは存在しなかったのでサテライトというかセミ・ワークス格のTZM(=改造TZ?)だったのでしょう、材質もアルミでした。
 またこの時は木型支給、すなわち既にどこかで吹いたものを
「そちらで再度(=不足分を?)吹いてくれ」
ということでもありました。
 ところがこの木型、法案が良くなかったのか(?)思いほか難物で、歩留まりが非常に悪く・・・鋳物上面に鋳造不良が出てしまうのです。

 会社では、クランクケース等込み入った機械加工を施す
(すなわち加工費が張る)鋳物には吹き終わった直後に全数、いわゆる
 レッドチェック(浸透探傷検査)
 を行っていました。費用をかけてオシャカにする訳にはいきません。加工費に比べればカラーチェック・スプレーや鋳物本体すらも安いもの(笑)その検査で鋳物上面が「真っ赤」になってしまう・‥
 いわゆる「焼け」でした。
 上がりの効きが悪かったのか複雑な形状に対し吹く方向が間違っていたのか、鋳物が冷えて凝固する際「湯を取り合って」しまうことに起因する「巣」とは異なるスポンジ状の、組織の粗い部分ができてしまうのでした。
 その部分は本来の強度が出ておらず(=脆く)もちろん機械加工部分に当たると使い物になりません。
 そして色々手は打ったのですが残念ながら手詰まり、根本的には解決できませんでした。
 最後の手段として鋳物屋としては恥ずかしいことですが、怪しい部分をリューターで掘り込んでの溶接肉盛り(→元通りの形状に切削)補修を行い納めたのでした。

 その作業は全て自分が担当しました。かなり大掛かりに「施術」しましたが、やはり取り去り切れなかった「粗」な部分はあったかもしれません。ヤマハの切削担当者氏に不愉快な思いをさせてしまったかも・・・?
 恐らくはヤマハでも
「このクランクケースには鋳造不良部分が多く出る」
ことは認識していたと思います。だからこそウチにお鉢が回ってきたのでしょう。
 そして来るべき新設計のクランクケースの出来に、そんな不安定さが付きまとうのは何としても避けねばならない、と設計陣は考えたはずです。

 時は新カテゴリー施行直前でした。
 そしてその、MotoGP用YZR-M1エンジンの開発に当たってヤマハの出した解決策は・・・
billet.jpg 
(輝く、エンドミル切削加工跡だらけ・・・)
 総加工(=削り出し)クランクケースの導入、でした。

 製品の安定性を求め、マグネシウムの使用による僅かな軽量化には目を瞑り、巨大なアルミ・ブロックから本体を機械加工オンリーで削り出すのです。
 エンドミルのひと削り(=一往復)1mm以下の削り代を積み重ね(!)肉の薄い複雑な形状の「箱」を形作るのです。加工時間は驚くべき長時間(恐らく一昼夜?)に上り、その総加工費も相当な額となるはずです。
 しかし一方製品の安定性、設変に対する機動性、剛性等々確かに多大なメリットもあり・・・

 以来ヤマハからクランクケースの鋳造依頼はありません。

[Miss cast?:Yamaha YZR-M1クランク・ケース]の続きを読む
  1. 2016/09/18(日) 14:39:21|
  2. Magnesium&Race
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

Casting:鋳物の話・その7

rgv.jpg 
(先代?のRGV-Γのエンジン部。ぎっしり・・・)

 鋳物の話に戻りましょう。

 国内にマグネシウム屋は数少ないこと、そしてMg.鋳物の色に個体差があることは既に書いた通り。また砂型鋳造が手作りに近いことも述べました。以上3点を考え合わせると・・・
 国内産のMg.鋳物、その色と鋳肌(←そこで使っている砂の種類、粗さを反映する)を見れば、どこの工場で作ったものかが判ってきます。実際には
「これはどこそこ社の内製・・・」
とまで具体的に指摘できるほどには成れませんでしたが(笑)
「これとそれは違う所で吹いた」

ということだけなら、その風合いで判るようになります。

 例えばトップ画像、込み入っていてディテールは非常に判り難いですがスズキの500、RGV-Γのエンジン部を見ると・・・
 一番手前の、クラッチ上のy字型のホルダー、その下のクランクケース・カバー、ほとんど見えませんがクランクケース・アッパーが我が社の製品です。
 それに対し、車体上部に顔を出している排気デバイスのカバーの風合い(≒色味)が微妙に違うのですが、お判り頂けるでしょうか?

gsvr.jpg 
(ヘッド・カバーの肌に注目!)

 このGSV-Rでも、クラッチ下カバー(とクランクケース・ロワ)はウチの鋳物でしたがヘッド・カバーは余所の製品です。
 このヘッド・カバーの肌の「金型に近い」滑らかさはひょっとして砂型ではなく「プラスター・モールド」かもしれません。そうであればできる所は限られるので
「スズキさんはあそこにも仕事出しているんだあ・・・」
ってことになります(笑)

 その、プラスター・モールドとは・・・
 プラスターすなわち「石膏」。型の素材として砂ではなく文字通り石膏を用いる鋳造法で、金型に近い非常に滑らかな鋳肌が特徴です。脆い砂型よりずっと丈夫なプラスター型は、その組み合わせ精度も金型に近く、砂型に比べて製品精度も一段上です。
 水で溶いた石膏を流し込み乾燥させ型を作ります。意外でしょうが(笑)石膏は見た目よりずっと「通気性」があり、鋳造性も高いのです。実際の作業、イメージ的には冷たいのと熱いの「鋳造を2回やる」感じで(笑)非常に手間がかかるのはご想像頂けるでしょう。石膏を壊して(!)鋳物を取り出すのも結構な手間。「木型」も耐水の、専用のものが必要になる、ということで金型に近い肌と精度が得られる半面その高コストは製品価格に反映します。

 スズキのGPエンジンに話を戻します。
 

これが、Vバンク角が広がった後期型。
xrgy.jpg 
(ヘッド・カバーがアルミになったようです)

 

 
 前述の尺度で見ると・・・
 自分の退職後もGSV-Rのパーツ、クランクケース・ロアとクラッチカバーは自分の居た工場が継続受注しているようです。(自分が担当していた)仕上げの美しさと均一性は下がった筈ですが(笑)
 Mg.ではなくアルミ鋳物の肌の話になりますが、形状が微妙に変わったクランクケース・ロワの、この黒っぽい感じは会社のショットブラスト機で使っている「亜鉛ビーズ」によるものと思われます。
 またクラッチ下、クランクケース・サイドカバーは仕上げ作業が終わった段階でサンドブラストをかけているのでしょう。クラッチ前、縦に一本通っているオイル通路(?)部分の「色ムラ」はそのせいと思われます。

 この稿、まだまだ続きます<(_ _)>


  1. 2016/09/11(日) 10:37:50|
  2. Magnesium&Race
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

Break:ブラック川柳(?)

mag2 - コピー_1
(我家ポスト上の表札、インディーエンジンのカバ-・リア・ギア・・・!)

 7月末から、なんと6週にわたって熱く(笑)

   Casting=鋳物

   について書き連ねてきました。
 幸い好評を博している様でもありますが(?)あまりに偏り過ぎだろうとの反省も込めて鋳物の話は一回休み、今稿はガラリと趣向を変えての「川柳」の話題を。

 当ブログの左プラグイン「カテゴリ」ご覧頂くと判る通り自分、毎日新聞「万能川柳」欄へ毎週投稿を欠かさない準「常連」投稿者です。その努力(?)の甲斐あってこれまで、何度か紙面掲載されました。ちなみに柳名も「十字野郎」です(笑)
万柳 
 この「川柳」、当ブログのメインコンテンツたるクルマ・バイクやレースとはかなりミスマッチ、なのですが先日愛読する・・・
ライディングスポーツ
読者プレゼント欄に、こんな応募規定が・・・
raisupo.jpg
「こ、これは・・・!」
その、ミスマッチと思っていたモータースポーツと川柳との正に融合です。これを読んで十字野郎はいきり立ちました。
「万柳常連投稿者の実力を見せてやる・・・!」

   毎日新聞の投稿規定は・・・

 ハガキのみ(メール不可)ハガキ1枚に5句記載可能

 というものですがそれに慣れた自分、このオートバイ川柳も結構沢山できてしまいました。その中から「厳選」する訳ですが・・・悩みました。

 川柳の基本(?)として物事をストレートに書く作文とは違い「暗喩」というか読む人によって如何様にも取れる余地、連想といった、表現の広がりを重視する、のが普通なのですが今回も同様にそうするかあるいはミスマッチな世界ということを勘案し、判り易さ(明喩)に振るか?
 難題でした。
 そしてその段階で、新聞投稿の際にもオミットされる句があったことに改めて気付きました。
 選者氏の好みではない(?)と思われる「駄洒落」とか朝刊に相応しくない「下ネタ」等です。時事ネタとして有名人に対しての「個人攻撃(?)」もそうでしょう。でも、できちゃった句の中には
「投稿できないけど発表したい」
と思うものもあります。
 そこで今回のライスポ投稿とは別に、それらを

 ブラック川柳

 と題して Twitter にアップすることにしました。
  

 どうせやるなら本気と継続性が大事、と「毎日一句」を自らに課すこととしました。ちなみにこれを思いついたのがちょうどリオ・オリンピック期間中でもありました。
 以下Twitterより。

 ブラック川柳

ポケモンに学ぶ白人の横暴
(ピカチュウの色を問題にするとは・・・)
御心に背く社に棲む烏
(某神社の在り方を・・・)
これくらいにしとけ東京で減っちまう
(日本メダルラッシュを・・・)
芸人がマジ顔見しちゃいかんやろ
(某芸人とトニー谷が二重写しに・・・)
胴元も金で黙らす羽球会
(スキャンダルも帳消しに・・・)
倹約が裏目に出たねあの着付け
(知事は和装スタイリスト同伴しなかった・・・)
お似合いのリベンジャー・カップル脛に傷
(人気者同士の交際スクープで・・・)
視聴率代役見たさで上がろうか
(スキャンダル降板、ドラマ撮り直し・・・)
ひょっとしてニラ女って夏目ちゃん
某ネットニュース、男らしさを称えて)
渋滞の緩和決め手はノー・ブレーキ
(これはマジ。渋滞の遠因たる頻繁なブレーキング、しないで済むような車間距離を取れ!ということで)
先手なしで一撃必殺じゃ自滅
(東京で種目入りした格闘技を・・・)
LB.png
乗ってたぜLBGTちょっと違う
(LGBTへの無理解を・・・) 
やっと得たのに次のひとへバトンパス
(リレーと某セレブの離婚を・・・)
残酷だがオタクの基本は記憶力
(^_^;)
電子化でライター出番激減し
(禁煙と出版不況をかけて・・・)
嗚呼惜しい素材味なし熱いだけ
(大根、じゃあんまりなので・・・)

 以上本日アップ分まで。
 今後も継続します。ツイッター・アカウント十字野郎、よろしくお願い致します。

[Break:ブラック川柳(?)]の続きを読む
  1. 2016/09/04(日) 12:07:25|
  2. 万能川柳
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0