doppia gobba

前稿登場のこの車・・・
 秋田の有名なエンスー(enthusiast)K氏所有のものです。氏と静岡のオートバイ屋(現在はBMW専門店。フェアレディSRエンスーとしても有名な)O氏のコンビでラフェスタミッレミリアに参加していたのでした。スピードは争わないレギュラリティーランだった同イベント、確か彼らの優勝だったように記憶してます。

 このイベントに先立つこと数年前、車の師匠たる川口のS氏から、ある
「お買い得車」の情報が寄せられました。
「安~いダブルバブルのプロジェクトカーが、カリフォルニアにあるよっ。
いらねえか?」
ダブルバブル(doppia gobba)とはトップ画像、フィアット・アバルト750GTザガートのこと。そのルーフ形状からついた異名です。
 プロジェクトカーとは大規模修理中の車。大掛かりなレストアを目指していたものの何らかの理由(多くは金銭的問題?)で作業が頓挫したような・・・

 各部は分解されてバラバラの部品状態、ボディーは剥がされ地肌剥き出しのドンガラ状態、でも部品は揃っている(本当かどうかは不明)・・・

 そんな車です。情報の元は当時日本にもたくさんの顧客がいたカリフォルニアのヨーロピアンオートセールス(そんな名だったと思う)でした。
 インターネット以前のことです。情報はとりあえずFAX.の(劣悪な)画像で、詳細が知りたければ写真を郵送する(!)そんな時代でした。
 もう写真は着いていました。見れば地肌のアルミボディの状態はよさそうです。
p-car.png 
(これは別の個体ですが、こんな感じでした)
「写真で良さそうでも実際に触ってみなきゃ程度なんて判んないし・・・。
全体にまあまあよくても一部、例えば(鉄の)フロアとの繋ぎ目が電蝕
してたとして、アルミボディの部分補修ってどうやるん?
塗装は?
部品はホントに全部あるのか?
揃っていたとしても全部そのまま使えるってのは虫が良過ぎだろう(笑)
部品の調達はどうする?イタリア語でFAX.?どこに?
その作業は誰がやる?
誰かに頼めるのか?
自分でやるとして、ホントにそれができるのか?
俺のできるレベルのいい加減な作業、名車アバルト様に施してよいのか?
だいいちその作業、どこでやるん?・・・」
色々な、様々な考えがグルグル頭の中を駆け巡ります。
 たしか当時のレートで100万円を切る(!)価格も大変魅力的でした。当時既に国産マイクロ・リアエンジン・スポーツ(!)
Cus10003.jpg 
(自分で組んだ443ccで140㎞/h巡航!特注Rショック等々・・・)
 に相当入れ込んでいた自分ですが、かたや本物のABARTHです。
 純血イタリアンスタイリングの、手造りボディーを纏ったリアエンジンスポーツカーの本家本流です。たとえ自分の車の方が性能的には上回っていたとしても、それをうっちゃって乗り換えるだけの説得力、価値と魅力がありました。しかし自分の下した判断は
「買ってから完成まで、軽くその倍はかかるだろう・・・」
当時自分の置かれていた状況では
「怖くて手が出ん・・・」
状態でした。そんなこんなで返事を保留したまま・・・
 話は流れ・・・
 その車を果敢に入手、アルミボディを作り直すレベルのフルレストアを施したのがK氏。自分のものになったかもしれないアバルトが#58なのです。

 同じ頃環七の某中古車屋の店頭にこれまた魅力的な車がありました。
ホンダS600クーペ
s600 - コピー 
(もちろん別の個体です)
 夜な夜な見に行ったものです(笑)なんと88万円でした。
 当時既に名車としての確固たる地位を確立していたホンダスポーツでしたがオープンが主流のエスにして、その屋根付きクーペ版という異端さ、加えて800ではなく600版というその外しっぷりに、すっかりやられてしまった自分でした。
 しかし当時既に部品供給に暗雲垂れ込め始めていた(実際には門外漢の杞憂だったようですが)ホンダエスです。
「流用なんぞ利かない専用部品だらけの希少車に、俺みたいな貧乏人が手を出したら・・・維持しきれないのは目に見えてっだろ。
だいいち名車、スポーツカーとはいえエンジンは前じゃないか・・・(!)
やっぱり新時代のスポーツカーはエンジン後ろじゃなきゃ・・・(?)」
無理矢理自分に言い聞かせエスロククーペを諦めた直後でもありました。

 あの時手に入れていたら・・・思い切って買っちゃえば何とかなったかもしれないけれど・・・(?)

 それ以降これまでの経験上、そんなことは決してなくて(笑)結果的には「見送り」が正しい判断だったとは思っていますが・・・

片思いのままに別れた・・・そんな感じのちょっと心残りの2台ではあります。
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  1. 2014/12/13(土) 12:00:00|
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