Fast n'Loud:Ferrari F40 @Discovery Channel

 
(この車を最初に見た時は「GMのショーカー?」かと・・・笑)

 ドキュメンタリー番組専門TV、ディスカバリー・チャンネルをご存知でしょうか?

 今稿は先日、ケーブルテレビで偶然見かけて感銘を受けた、というか見入ってしまった(笑)ディスカバリーチャンネルの番組について・・・

 そのプログラムの名は「ファスト&ラウド」。
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(かつてない多額の投資に、リチャードは・・・)
 主人公リチャードとアーロンが運営するGas Monkey Garage(Dallas,Texas)が全米各地からジャンクな名車を発掘、可能な限り(!)安く買い取り、その車に応じた完璧な(?)レストア、あるいは彼等独特のセンスを生かした大胆な改造を、経費を抑えるために超・短時間で施し(時にはそのまま何もせず)高く売り、儲けを出す・・・その一部始終をありのままに見せる、という番組です。そして、自分の見たその回は通常の取り扱い車種(当然アメ車が多い)とは桁違いに高価な、フェラーリF40だったのです。
 そのF40はなんと事故車。
crush.jpg
(事故当時の画像)
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(ターボパンチの暴発・・・?)
 かなりの損傷でしたが、あわよくば100万ドル以上での転売(!)を夢見たリチャードは購入を決意。しかし強気の売主の希望価格はなんと50万。困ったリチャードは知人デニスに援助を求め、その場での交渉の末・・・
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(大変高価なスクラップ・・・)
 その仕入値は40万ドルに。
 儲けの折半を条件にそれをデニスが出し、修理費をリチャードが持つことになりました。

 これを聞いた時、正直
「高い!」
と思いましたが、すっかりフェラーリの相場等に疎くなってしまったので、そんなものなのかとも・・・(笑)
 いつもならほとんどの作業を自社内で、サビ取り板金が必要なフルレストアでも1、2週間で終わらせる(!)凄腕の彼等ですが流石にフェラーリは勝手が違う、ということで専門家の助力を得ることに。
 それゆえ今回のケース、期限は彼等としては非常に長い8週間。ですがフェラーリ専門ガレージの意見は
「1年かかってもおかしくないプロジェクトだよ・・・」
ここからが自分が見入ってしまった部分・・・

 専門業者によるフェラーリ・レストアの「実際」とピンチを切り抜けるための「荒技」そして元はと言えば308GTBの発展「改造車」たるF40の構造

 が明らかになるところなのです。

 まず専門ガレージでは
「いつものように・・・」
全バラに。すると各部の損傷具合はもちろん、フレームにはなんと真っ直ぐな部分は1ヶ所しかないような・・・
flutter.jpg
(右への傾きがわかります。メインフレームの幅も)
「普通は直さない・・・」
「これほど酷いのは今まで経験がない・・・」
とプロが口を揃える全損状態(!)なことが明らかになりますが、多額の投資をしたからには後へは引けません。
 以下は画像で。
cerette.jpg
(ちゃんとオフィシャルなCeletteの治具に載せられています)
chain.jpg
(フレーム上部にはアウトリガーを固定・・・)
cerett.jpg 
(純正治具をサス・ピックアップに取り付け、油圧で引っ張ります)
gap.jpg 
(手前側が浮いているこの青い治具が定盤に接地するよう修正します)
  firehammer.jpg
(油圧牽引に並行して加熱、大ハンマーも・・・!)
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(こうしてメインフレームの修正を終えてから・・・)
chopp.jpg 
(フレーム損傷部分、部材を除去します)
 そう、F40は巷では
「カーボンファイバーで・・・」
云々いわれていますが、構造的には大元は’76年デビューのフェラーリ308GTB。その基本は’60年代の・・・
206_201502151230015a8.jpg
Dino206gt
 にまで遡るパイプフレーム。云わば上下2重になった「ラダーフレーム」なのです。
 車体全長に及ぶ4本の主構造材(1/2楕円Cr-Moパイプ ↓ 画像参照)上側にWウィッシュボーンのアッパー側、下側メインフレームにロワ・アームのピックアップが設けられています。
 そう、当時のWウィッシュボーンのジオメトリー(≒ピックアップの位置)は、動的性能が云々とかキャンバー変化がどうの・・・ではなく「作り易さ」から決められていたのでした。
pipe.jpg 
(そのパイプを採寸、カット、溶接します)
全体が曲がっていたのでその他多くの部分を修正、新造します。
transaxle.jpg 
(ミッション付きエンジンを載せます)
このトランスアクスル、愛読書

スーパーカー誕生
 によると・・・
 F40の設計者、かの闘うエンジニア、N・マテラッツィはF40のベースたる288GTO設計当時、フェラーリ社内のマンパワー不足のためにその大容量トランスアクスルの新規設計を、引退した(=社外の)老エンジニアに頼んだのだとか。その人物がかつて手掛けたのが250・・・続きは本書で(笑)
cut.jpg 
(エンジンマウントに1ヶ所作業ミスがあり切り取り、再溶接も)
と、膨大な作業に多くのマンパワーを投入、完成したのが・・・
completed.jpg
(ベッタベタの車高、アメリカ仕様のサイド・・・)
 これです。
 スペシャル・ショップの協力と努力、非常に高価な純正パーツ群の取り寄せ(一度にこれほど大量の受注ははじめて、とか。FRPパーツの修理修正は行われなかったようです)等で経費もおよそ30万ドルに上りました。しかも
「赤は弱々しい。もっとイカツクないと・・・!」
とブラックに。特注大径ホイールとPenskeサス、スペシャル・タービンで550HPにパワーアップ。今時のレカロにLEDランプも(!)とガス・モンキー流カスタムも施されています。

 これを見ていて
「しっかり直っているとはいえ全損再生車、しかも改造車。果たしてこの車、オリジナル至上主義者の多いフェラーリマニアに訴求するんだろうか?しかも100万ドルは・・・?」
とぶっちゃけ思いました。すると購入希望者はなんと・・・?
 そういうオチでしたか(笑)

(c)2015 Discovery Communications, LLC


Special thanks to Discovery Channel.


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  1. 2015/02/13(金) 11:16:44|
  2. Movie
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  4. | コメント:2
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コメント

ミートゥー

僕もディスカバリーチャンネルけっこうツボです。チョッパーバイク制作の親子対決なんていうのもあったような気がします。
  1. 2015/02/18(水) 20:17:37 |
  2. URL |
  3. コージー #-
  4. [ 編集 ]

Re: ミートゥー

コメントありがとうございます。

> 僕もディスカバリーチャンネルけっこうツボです。チョッパーバイク制作の親子対決なんていうのもあったような気がします。

このガスモンキーと上記親子(とJJ)とのチョッパー制作対決もありましたね。身辺慌ただしいものの、頑張ってブログ更新していきます。ご愛読😅よろしくお願い致します👮
  1. 2015/02/19(木) 06:23:11 |
  2. URL |
  3. 十字野郎 #-
  4. [ 編集 ]

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