History of TIME pedals for MTB


(1st. genaration:Extreme Titan Carbon)

 前稿に引き続きタイムのペダルについて少々・・・

 ご存じの通り(?)自転車ビンディング(バインディング)ペダルの元祖は、スキー用品メーカー LOOK です。
 そして当然スキー同様、ガッチリ固定するタイプの元祖ルックに対し
「少し動かせた方が、特に膝の負担が少ない」
と異論を唱える形で登場したのがタイムでした。
 フローティング、と称してクリートが留め金具(=前稿でいう横バー)より若干小さいため横方向に動かせ、角度も(リリース寸前まで)自由に振ることができ、振ってもバーと一体のスプリングの張力で元の位置に戻る(=センタリング)という画期的な機構で瞬く間に対抗勢力となったのでした。
 かつてのツール・ウィナー、G・レモンは引退して何十年も経つにもかかわらず
「タイムのペダルは使い心地が良い」
と、いまだに言っているくらいです。

 しかし、というか競技用ゆえ当然ですが両者のクリートは大きく、専用シューズは歩行には全く適さないものでした。

 それを小型化してソール内側に埋め込み(クリートの摩耗を気にせずに)歩行し易いものを、と現れたのがシマノのSPDであり、前稿のタイム・センチュリー(とアクション)だといえるでしょう。
 ロングライド・イベントたる「センチュリー・ラン」からなのでしょう、そのネーミングからもその志向が伺えます。
 そのツーリング向け、あるいは落ち着いた大人向け(?)の意識は当然シューズにも反映されました。
shoes.jpg 
(捻ると外れる、を体現した小振りのクリート形状・・・)
 しかし、前例のないもののデザインとは難しいもので(笑)ただ地味なだけ、高級品としては許し難い無様なシューズになってしまいました。
「学校の上履きか?大枚叩いてこんなの履けるか!」
と思ったものです(笑)
 また、シューズの選択肢が少ないというのも致命的で、アクションとセンチュリーは「早過ぎた商品」として歴史の波間に埋もれていったのでした。

 同じ頃アメリカから爆発的に沸き起こったのがMTBブームでした。

 MTBライダーたちはクリップレス・ペダルの優秀性は知ってはいても、悪路での「担ぎ」と「泥濘」のあるMTBレースには使えない・・・とトークリップとストラップの使用に甘んじていました。
 タイムは悪路を駆けまわれるソール形状を持ったシューズでなおかつ、泥が付いても確実にエンゲージするクリップレス・ペダルを!というMTBライダーたちの声なき声に応えるべく、その奥の院から一度は忘れ去られたはずの・・・
センチュリー
century.jpg
(の構造)
 を再び引っ張り出してきたのです。
 それがトップ画像、タイムMTBペダルの第一世代と言うべき・・・
エクストリーム
xtrm.png 
(と廉価版シエラ)
 でした。アールは若干大きくなったものの特徴的な2本のバーを持つ構造は同じです。
 元々センチュリーは2本のバーしかなく(=空間が大きい)そこにクリートを差し込む形、元来泥が逃げやすい形状です。加えて少々の泥詰まりでもステップインできるようクリートの幅をせばめ(=尖った形状にし)その分だけバーの直線部分を減らし(=両端アールを大きくし)た・・・これがエクストリームの形状から読み取れる開発意図です。
 そのスタイリングも、新時代のペダルを!という意識が強く感じられる斬新な形状・・・
「これならロードバイクの街乗り用にもいいじゃん・・・」
このペダルが発表された時、そう思いました。
 そう思わせたもう一つの理由がシューズでした。
MTBshoes.jpg 
(上がエクストリーム、下がシエラ)
 前作とは違い(笑)
「これなら履く気になる」
いいもの感のあるデザイン、普通に履いていられるでしょう。
 と、入れ込んではみたものの主にそのコストの問題で・・・タイムMTBペダル街乗り計画は頓挫したのでした・・・orz

 画期的なタイムのMTBペダルでしたが解決されていない問題がありました。
 MTBレースではペダルの向きを見ている暇はありません。
 ライバルのシマノ、SPDは耐泥詰まり性能では劣っていたものの決定的に優れた点として表裏両面どちらでもキャッチできるようになっていました。対してタイムはそのクレバーな(=後方バーが踏力を受けるだけでなく固定用コイルスプリングをも兼ねる)構造ゆえ両面にはできなかったのでした。
 タイムの、その問題への意識はエクストリームの裏面に現れています。
裏 
(ネジ留めの蓋の中にバネ部分が・・・)
 そこには固定用メカニズムはないものの、クリートがぴったり嵌る凹が設けられているのです。
 ただし、これでは固定力はないし、走行中表裏挿し替えるのも・・・
 一方SPDユーザーは泥を蹴り落としてから嵌める、という荒技を編み出し・・・
 そんなこんなで、タイムは伝説のXCチャンピオン、J・トマックは選んでも・・・
tmac.png 
(時代を感じます・・・)
 主流とはなり得なかったのでした。

 そのタイムが満を持して打ち出した傑作が第二世代・・・
アタック
タイム 
(これは廉価版アリウム)
 なのです。
 元々高い耐泥詰まり性能に加えコイルスプリング一体のバーを、前後対称として表裏両面に配する、というこれまたクレバーな設計でそれまでの欠点を払拭しただけでなく、シンプルで美しいスタイリングと軽量さをも売りとした優れたプロダクトでした。

 実際アタックは爆発的にヒット、量産車にも多く採用され普及、自分の自転車にも積年の思いを遂げるかたちで無事着いた、のでした(笑)

 タイムMTBペダルの進化は続きます、が・・・
 性能は向上を続けているのでしょうけれど、そのスタイリングは・・・
mx6.png  xc6.png
(今にも変身しそうです・・・)
 そのシンプルさゆえ
「ロードバイクに着けよう」
と思わせたスリークな美しさは失われ今やロボット・アニメかトランスフォーマーか(笑)
 これでは自分のバイクに着ける気にはなりません。
 そう、美は細部に宿るのです。
 

kaika.jpg
先日、剪定したローズマリーです。
強く刈ったのがその生存本能を刺激したのか満開中。
azisai.jpg 
紫陽花は7月なのにまだこんな。
sasagao.jpg
アサガオは大分伸びました。 
スポンサーサイト
  1. 2015/07/10(金) 17:10:48|
  2. Bicicletta
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<Street Views:Cars@Tokyo | ホーム | Time pedal `Century'>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://italiancarlover.blog.fc2.com/tb.php/138-b176e97c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)