5-0)NBロードスターが唯一負けを認めたオープンカー

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 当ブログとしてはこの所比較的多くの来訪者数 をカウント(左側プラグイン参照) しておりますがそれにしても皆様シャイなご様子、 前稿「C/Gファンクラブ?」に対してのコメントは頂けておりません。
 あんまり昔のことを書くのもどうよ、と思いつつもやはり 当時のこと、皆様のこと、CG'sのこと、書いておかねばならない(?)ことがまだまだあるようで・・・ 依然としてコメント募集中です!
 皆様のコメントへの回答という形で続けられれば、とも思っております。

 そこで閑話休題(休話閑題?) 突然ですが自動車スタイリングについての話題を!
 既にリンクさせて頂いておりますが
 
 Car Styling Design-BBS

 という権威と歴史ある掲示板がございまして、 自分も時々書き込ませて頂いております。
 このBBSにおいては過去に「ミウラ論争」なるものが勃発、 端的には

 ランボルギーニ・ミウラのデザイナー(=設計者ではなくスタイリスト)は誰か?
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(Sold)
 というものでしたが大いに盛り上がったことがあります。自分も途中参戦(?)致しました。 くわしくは件のBBS過去ログ(長いので結構大変・・・)をご参照下さい。

 そのBBSで改めて論じる、あるいは問題提起するまでもない、ちょっとした自動車スタイリングに関してのことですが
 
誰も気付いていないであろう
(当時ほとんどの自動車関連書籍を確認していたので間違いないかと)
3代目 NCロードスター
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のスタイリング検討時のこと 、すべては想像ですが(笑)状況証拠は揃っているので・・・を四方山話として以下に。

 1989年の初代ユーノス・ロードスターNA
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 そのスタイリングは、デビュー時巷ではエランがどうの、云われておりましたが自分としては各部のまとめ方、ディテールの配置等から、エンジンを短い4気筒に替えた(笑)
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ショートノーズ・デイトナ(=フェラーリ365GTB4スパイダー)
と云えるのではないか、と考えています。本題はNB以降なのでNAについてはこのくらいにして・・・

 その初代NAの大成功を受けて正に雨後の筍のごとく主要メーカーから
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Z3
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SLK
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ボクスター
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バルケッタ
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MGF
フォロワーが次々登場、それらを迎え撃つ形で'98年マツダは
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2代目 NBを投入しました。

 それらライバルの中で、特に可哀想なのはMGFです。'80年代末期「空位」だった本来「MG的なもの」
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 軽便で安価、思いのままに操れるそこそこの動力性能のオープン
をマツダ(≒立花啓毅氏)がモノにしたがゆえに行き場を失ってしまった本家
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が 渋々「より本格派なもの」に移行せざるを得ず、仕方なく仕立てた不慣れなミドシップが同車・・・と見えます。

 同じ頃、貴島孝雄氏を主査(NBから継続)とする開発チームは次世代NCの検討のためライバル全車を研究したはずです。その各車評価はスポーツカーとしての尺度すなわち

 操縦性、重量配分、重心高、車体剛性、質感、快適性、機械的信頼性、スタイリング、空力そして価格

で行われたことでしょう。 しかしNBは優秀です。 各項目でいえば

 重量配分面ではミドシップ2車はトラクションでプラス。しかしMGFの方は重心高でマイナス。
 ボクスターとZ3とは全ての面で拮抗、NBにとっても手強くも価格帯でライバルたり得ず。一方ドイツ両車に対し質感ではNBが健闘、価格を考慮すればプラス。
 SLKの操縦性は重心高と相まって問題外、価格面でもマイナス。
 バルケッタには駆動方式(FWD)からして圧勝・・・

 総合点で太刀打ちできるライバル車はなかったでしょう。
 以上、自動車ジャーナリズム的あるいは自動車開発実験部隊的評価ではそうなったはずです。

 しかしマツダのどなたか(主査ではないかも)はNBが負けている点をひとつだけ見つけたのです。
 それはユーザーの、このクルマへの愛着を望んで止まない、設計者の愛情溢れる視点によるものでした。しかもそれは非常にコストがかかる贅沢なものにもかかわらず、完全に同価格帯といえるバルケッタにだけ備わっていたのです。
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 それは「ボンネット」でした。
昔のフェラーリ
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例えば275GTB。
 フェラーリに限らずコーチビルド時代のスポーツカーのボンネットは丸く、独立していました。ノーズ部分と左右フェンダーは溶接で一体化され、滑らかに繋ぎ目のない状態です。そして バルケッタ もまた
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イタリアンスポーツのひとつの様式としてその構造、工程を受け継いでいたのです。
 そう、フィアット社内でも「スポーツカーらしく、フードはこうしよう」それは割とすんなり決まったように想像します。イタリア車というかフィアットはかつて
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量産ミドシップ X-1/9
でも(車体剛性のため)継ぎ目のない溶接Fフェンダーを選択しています。そういう歴史的経緯もあり、フェンダー-ノーズピース溶接という手間のかかる工程にも拒否反応がなかったのではないでしょうか。
 

 一方世の自動車は樹脂バンパーが標準、鉄製フェンダーとのパーティングラインは不可避なものです。すると 左右フェンダーとバンパーに区切られたボンネットは四角くならざるを得ないのです。パーティングライン自体に罪はありませんが(笑)
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 それがない、滑らかなボディは特にそれを洗車あるいは磨く時、密かな、オーナーのみが知り得るえもいえぬ満足感を与えてくれるものなのです。

 これ(=スポーツカーと一般車を差別化する贅沢な構造)だけはウチの子(NB)にはない! ハンパな格好だけのスポーツカーもどきに負けた・・・

 開発チームの悔しさはNCのボンネットに現れています。
   
 それは意識的にバンパーとのパーティングラインに見えないように大きくラウンドし、フェンダーとのそれも峰でも機械的境界でもなく曲線優先になっているように見えます。さらによく見るとホイールアーチにかかるバンパーとフェンダーとのパーティングラインは特別に気を付けて狭く保ち(=目立たなく、見えないようにし)ボンネットの方は技術的には同様に狭く保てるにもかかわらず、敢えて多めに取っているように見受けられます。
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この考えに至ったきっかけは、NCのフード形状の不自然さ(失礼・・・)からでした。
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「またデイトナかぶれ?」
最初はそう思いましたが、メカニズム的観点からも不整合な形状・・・??
 その疑念はそのまま放置されたのですが、ある日バルケッタを見て
「すげーなこのクルマ、安物なのにフェラーリと同じフード配置・・・」
と思った時、すべてが繋がったのです。

 かくしてNCは「丸い」ボンネットを持つに至ったのでした。
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 些細な事にこだわる、マツダらしいアプローチがそこにあった、といえるのではないでしょうか。
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 そして最後に申し上げたいのはバルケッタはスポーツカーもどきなどでは決してなく、愛着を持って接することのできる、今となっては稀有で贅沢な造りという美点を持った、入れ込むに足るクルマである!ということなのです。

 トップ画像は275GTB NARTスパイダー。これも自分で撮ったショット、場所はペブルビーチでした。


今稿、一気に書き上げたので少々読み難かったかもしれません。若干改訂致しました。ご面倒でしょうが(笑)再読、よろしくお願い致します
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  1. 2013/04/14(日) 01:38:36|
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