6-2) カスタムマニア:その2

 
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 前稿シャマルポスター余話で一旦休載になっている、くど~い(笑)自転車のお話、再開です。

 まず自転車関連初出前々稿6-0)CasatiとMBK「操縦性」の記述、一部で反響があったようなので(笑)補足、追記を。

 自転車のハンドリング評価について・・・自動車インプレッションの世界では「操縦安定性」という語もある通り操縦性には二面性があり、それは

 敏捷性(=アジリティ)と安定性(=スタビリティ)に二分され
 互いに相反するもの

 ということをご理解頂き、加えてここでいう操縦性(=ハンドリング)とは主に敏捷性のことになります。
 初出前々稿の内容、現車の方が前任車より敏捷性が高い、というものでしたが、ライダーによっては敏捷性が高過ぎ、安定性に欠ける、という評価もあり得ます。その線引きについてお話しましょう。
 

 オートバイの場合、Fホイール・アライメントを弄るのは比較的簡単
fork.png
 Fフォークの上下クランプを緩めフォークを上方に突き出す(=フォークが短くなる)ことによってステアリング・ヘッドが下がり(=キャスター角が立ち)結果的にハンドリングが鋭くなる(=よく曲がる=アジリティが上がる)という調整は広く知られています。

 しかし自転車のフォークはリジッド、これは通用しません。

 そこでFタイアを替えるのです。
 通常の700Cタイアは太さ21㎜。Fを19㎜(≒ピスト用)に替えると前が
2㎜下がり、その分キャスターが立つ・・・これでハンドリングを鋭くすることができます。 
 実際F19㎜を履いたMBKは現在のCasatiのように走りました。
 
 その際、タイヤ銘柄、グレードはなるべく揃えなければなりません。というのも、タイアによって衝撃吸収性に差があり(=低グレードほど跳ね易い)
そのグリップ差によってハンドリング評価が変わってしまう可能性が
(全く逆になることも)あるからです。
 実際後輪パンク時、「軽量」ということで携行していた低グレード19㎜タイアを装着したところ、本来Rが下がってハンドリングが鈍くなるはずがFのコルサCXのグリップが勝り、物凄いオーバーステア(=Fの切れ込み)で転倒寸前(!)になったことがあります。まあ車体を一気に、しかもタイア交換直後に倒し過ぎた自分が悪いのですが・・・(笑)

 Fの「車高」が低い状態でのハンドリングが
「よく曲がるようになった」
と思えるなら、その自転車のFホイール・アライメントは改善の余地があるといえます。具体的には
「オフセット値あるいは首下寸法の違うフォークに替える・・」
といった方法、あるいは衝撃吸収性に難ありとはいえ
「細いFタイアのまま乗る」
というのもありでしょう。ところがそこに落とし穴があります。

 人は「変化を改善と誤解する」傾向があるのです!

 本当の評価のためにはしばらくその状態で乗り続けることが大切です。加えてスラロームのようなコースを設定しテストしてみましょう。スラローム切り返しの際、

 自転車を引き起こしているような操作を自分がしている

 と感じられたらそれはオーバーステア、やり過ぎです。戻しましょう・・・
自分の自転車の操縦性はどうなんだろう?と思い、なおかつ時間のある方は上記、試してみると面白いと思いますよ(^^)


 さて、自車のスペックの話に戻しましょう。
 MBKの標準ホイールはカンパ・アテナのボスハブ(≠カセット・コグ)36Hに♯14の太いスポーク、それにフランスはリジダのエアロリム
aero_20130512092850.png
(空力のための、こういう半翼断面≒三角形ゆえ高剛性)
という、ライダーの想定体重80kg以上であろう非常に丈夫な(=重い)
パーツ選択がされていました。どれくらい丈夫かというと、フォークだけでなく フレームのヘッドチューブにもダメージが及ぶ程のクラッシュ
(vsゴールデンリトリーバー)にもびくともしないくらいです。
「決して望んではいないが、次回はホイールから壊れてほしい。
 毎回フレームから壊れてはかなわん・・・」

と、まずホイールの軽量化(=脆弱化)に着手しました。

 自転車の部品において、強度と軽量化はほぼバーターなのでした。

 自分の体重には過剰といえる36本スポークですがハブまで替えるとホイール新調となってしまい、もったいないので(→現品が余ってしまう)リムを替えることに。
 選んだのは仏マヴィックの定評ある軽量リム、GL330です。公称330gしかないその「脆弱性」をスポーク数で補完するかたちです。スポークもDTの細い、♯15-16バテッド(=段付き)を選択、現状より短くて済む6本組み、金色のアルミ・ニップルでオーダーしました。

 36H食わず嫌いの方はいませんか?
 このホイール、軽量リムにもかかわらず振れも出ず
「持って軽くはないが乗ると軽い」
という満足すべきものになりました。

 さてそのホイールに装着されるコグ(ギア歯)ですが・・・その前に。

 ぜひ使いたいパーツがありました。モーターサイクルの世界でも知られたイタリアはRegina(=女王の意)のチェーン
A-SL.jpg  
その名をアメリカSL(再びスーパーレッジェラ!)
mvs.png 
(まるでMVのようにエグゾティックなネーミングじゃありませんか!)
 シマノがHGチェーンで異次元のシフト(スピードとショックレス)をとっくに
ものにしていた当時既に時代遅れのパーツでしたが、普通は「無垢」のチェーン・ピンを軽量化のため「中空」にする
ちえん  
(向こうが見えるのが判りますか・・・?)
asl.jpg
(これは消耗品ゆえの「ストック」・・・)
というその凝りっぷりに敬意を表して・・・というか、単純に格好良いじゃないですか!

 以前のチェーンはザックスのもの、そのチェーンが変速
(=ディレイル=Derail=脱線)するコグはマイヨール7速ボス・フリー。
マイヨ
これは各ギア歯先に駆動効率と変速のためのプレス加工が入った
zx.png 
 凝ったものでしたがいかんせんその変速性能は旧態依然・・・でした。

 シマノのシフトフィールを擬音で評してカチッあるいはスルッとするなら
 マイヨールのそれは「・・・ガッチャッ!」・・・。
 凝ったものは最大限評価する自分としてもさすがに容認できないレベルではありました。しかしカセット・コグではなく、HGのボス・フリーなんてものは存在しません(実際にはMTB用があったようですが・・・)。

 アンチ・シマノの守護神サンツアーにしてもやはりボス・フリーは旧世代、例えカセット・コグにしてもそのオノマトペは
「ガチャ」。
 シフトはシマノには敵いません。

 しかしカンパにシマノを合わせるのはちょっと・・・。
 そこでちょっと見シマノと判らない(見る人が見ればバレバレな)折衷案、旧型シマノ、UGのフリー を使うことにしました。
028.jpg 
(刃先が捻じれているのがお判りでしょうか)
UG_20130512093838.jpg
このパーツ選択、オートバイで例えるなら
MV1.png
イタリアン・ヴィンティッジ・レーサーのレストアにフォンタナではなく
GT750.png
初期型スズキGT750のFドラムブレーキを流用した・・・
みたいなものでしょうか(笑)
 これなら複雑な表面形状のHGと違い、各歯均一な表面ゆえレジナSLチェーンとの相性も良く、シマノ的には
「旧世代と社外品」
の組み合わせとはいえ(笑)これでもシフトはサンツアーより優れている
ものとなりました。
 これまた長くなりました。今週はこの辺にしたいと思います。

 トップ画像は現在ZAGATORさまのところにある、氏の愛車を描き込んだ
フランス製MA-1タイプ、です。

 革ジャケットにはレコードジャケットを

 という基本コンセプトでやってますが、クルマだって描きます。
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  1. 2013/05/11(土) 23:41:48|
  2. Bicicletta
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