2-4)アルファロメオ・ティーポ33

 
(available)

 画像は、アルファロメオ・ティーポ33ストラダーレ、ラグナセカでのショットです。 

 この車、ランボルギーニ・ミウラと並んで「宝くじが当たったら・・・」的な対象(笑)として人気が高いようです。

 熱心なマニアは除いて、この車との出会いは

57.png
スクランブルカーマガジン57号

という方と映画

という方に二分されるのではないでしょうか?

 この車については前述「映画」の件を含め 

TS3Q0160.jpg
NAVI'98/9

に詳しいのでそちらを読んで頂くとして、この車には
「縁がある」と勝手に思い込んでいる()自分が見て来たことをお話ししましょう。

 この車、言ってしまえば余ったレーシングカーのシャシーに、美しさはともかく、当時の目で見て新しいとは言えないGTスタイリングを載せて仕上げた「企画商品」です。

 そうはいってもこの車を
「処分品を高く売り抜く・・・」と腐すつもりは全くありませんし、同時にこの車がそういう「商品」ではないことは、手作りの痕跡ありありの実車のディテールを見ていただければお判りになると思います。

 ではなぜこの車は生まれたのか?またまた推理してみましょう。

 まず最初に、なぜシャシーが余ったか?です。

 普通「ワークス」レーシングカーは自社チーム必要台数+有力チーム分しか用意されないものです。
 にもかかわらず少数とはいえまとまった数ストラダーレが生産できた理由、それは恐らくこのシャシーの特異な素材構成によるものと思われます。

 この車の生まれたのはレーシングカーにおける数々の技術革新が見られた時代。アルファロメオ初のミドシップでもあるティーポ33はもう一つ革新的技術を内包していました。旧来のパイプ溶接による

SF.png 
鋼管スペースフレーム

に代わるモノコック構造のシャシーです。ロータスが先鞭をつけた「先進」のシャシー構造。当時、新規に興されるレーシングカーには導入されて然るべき技術でした。例えそれまでのスペースフレームになんら不足(剛性、重量、生産性、設計自由度等)がなくとも、です。レースとはそういうもので、レース屋とはそういう人種でしょう。

 そしてただ「真似」するのをよしとしないのもレース屋です。

 通常は折り曲げたアルミ板をリベットで組むところを敢えてアルファロメオは鋳造(部材の組み上げ)を選択したのでした。
 形状の自由度を求めて、のことなのでしょう。鋳造ならば曲線曲面はもちろん剛性分布に合わせ肉厚すら変えられるのです。
 きっと設計者氏の美意識は通常のモノコックの

sss.png

「積み木レベル」

の稚拙な形状が我慢ならなかったのではないでしょうか?

 同車のモノコックは、燃料タンクを兼ねる大径丸断面「サイドシル」をコの字型に繋いだメイン部材がドライバーを後方から囲み、そこから後方へ2本エンジンハンガーが突き出し、前側はこれまた凝った形状のルクヘッドが締結される、という「芸術的」なものです。

t33 (2)

(黄色い部分の形状が特にエグゾティック)

 この鋳造部材、一部はマグネシウム製、となると制作は当然外注(カンパニョーロか?)です。

 この発注のロット数(30~40?)これがストラダーレプロジェクトのための余剰分を生み出したものと想像します。

 スペースフレームや通常のアルミモノコックのような「切った貼った」の生産工程であれば生産期間中に
 何台分かの完成前フレーム構造部材が揃う
 ということは考えられないのです。

 また、このストラダーレプロジェクトはその生産性の低さ(!ほとんど手造り)から、当初から計画されたものではないのは明らかです。

 しかし同車がストラダーレを仕立てたくなる資質を持っていたのも事実なのです。
 その資質とは、足まわりのタフネス、靭性です。

 当時はルマンカーのようなプロトタイプが公道を走る(!)タルガフローリオといった「ラリー」も行われており、メーカーとしても無視しえない程の人気を博していました。そしてティーポ33にはタルガフローリオも走れるように、サーキット専用(=脆弱)ではない、ストリート風味の

t33s.png

強靭な足まわり

が与えられたのです。その足回りを理由に
「この車を公道で走らせたい!」
そう考えた関係者は少なからずいたのではないでしょうか?


 ストラダーレではなくコンペティツィオーネに注目するとティーポ33は、時代性でいうと

t331 - コピー (2)

ポルシェ906 ←挿し替え致しました<(_ _)>

のライバルです。
 アルファロメオ陣営はそのカレラ・シックスの一世代前、904の

904.png

モンテカルロラリーでの活躍

を念頭にその足まわりの仕様を決めたのではないか、とも思っています。
実際アルファは当時相当ポルシェを意識していたようです。
 ティーポ33は、そのストリート風味の「前足」がゆえにレーシングカーとしては無視し得ない、ハンドリング上の瑕疵を抱えていたように思います。

m33.png 
(どアンダー・・・しかもジャッキアップしてます・・・)

 興味深いことに、そういった問題は一方のポルシェも同様で
 906は「お家の事情」でストリートカー用の大径ホイールを履かされていました。
 これが相当のネックだったことは、その呪縛を解かれた後継車910

910.png

カレラ10

は小径ホイールとともに無敵の称号と、後の917に至る拡張性をも得たのです。

・・・と今回はここまで・・・。
 ストラダーレ各個体のディテールの違いは次回に。

 




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  1. 2013/07/28(日) 14:39:22|
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