2-8) 追憶のAlfaRomeo1750GTV:その2

穣 - コピー
(秘蔵のDe Rosa AifaRomeoジャージを着て・・・)
 「内燃機関雑談」に脱線したまま終わってしまった前稿(笑)
 アルファ1750GTVの話に戻しましょう。

 実車、足まわりはというと・・・車高はほぼ水平に下がってましたが、その方法にちと問題がありました。フロント、バネを切ってあるのですが車高が下がり過ぎてしまったのでしょうか、切り取ったバネの一部、それもバネとして効いていないエンド部分
バネ
(別のバネですが、黄色部分はバネとして機能していない)
を溶接、付け直してありました。バネの受け皿部分との兼ね合いを意識したのかもしれませんが、いずれにせよバネのエンドの、死んでる巻数がふた巻もあるのはいただけません。でも、替わりのバネもなかったのでそのまま組み戻しましたが・・・。
   
 フロントのアッパーアームのトレーリング側は長さ調整可能、キャスターをいじることができるのですが、この車にもその痕跡があり、アルファ本来のアライメント、その味付けは味わえなかったことになります。
 タイアはほんとのあり合わせ、
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ブロックパターンのラリータイア(!)
あるいは山はあるもののかちかちに硬化した
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ピレッリP6
なんてのを履かせていたので実際のところ、ハンドリング云々言える状態ではありませんでした。ただジュリア系のRサスペンションでよく聞く「横揺れ」は気になりませんでした。R固定軸の位置決めを担う巨大な
sb.png 
「ソロバンのタマ」
その劣化に起因する現象ですが、この車には手が入っていたのでしょう。

 そしてGTV系といえば昔雑誌で見た、 リアを沈め、鼻は上がり気味、
am.png am6.png
大きくロールし、内側前輪を浮かしながら・・・のお馴染みの姿勢には
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ちゃんとなります!
 それが味わえただけで満足、という感じでした。 実際
「少々大回りでもいい、運転手がなんとかするからとにかく蹴ってくれ!」
って感じの車でした。足りないトラクション、その確保が第一義で、ターンインの鼻の入り具合なんか気にするなって感じの仕立てにならざるを得ない車だと思います。
 そういう意味で速く走らせるにはLSDは必須。姿勢も、少々格好悪くても「後下がり」にせざる得ないでしょう。
 いずれにせよ操縦性においては「旋回」「脱出」に妙味のある車、「侵入」は比べればいまいち、ピキピキっとした運動性は期待できないように思います。某「巨匠」評論家の言
「アルファは今も昔もなまくら・・・」
とは当たらずとも遠からじ、でしょうか。

 この車当然クーラーなし、夏は乗らない仕様でした。付けることも可能でしたがその場合コンプレッサーは、カムチェーン・ケース中腹から突き出させた「ツノ」に全てを載っけるかたちで、美しくないばかりか負担も見えるので止めました。だいいちヒーターブロワーすら壊れている車です(笑)このブロワー、結局修理しませんでした。では、寒い冬は?というと・・・助手席で震える同乗者に
「ちょっと待ってろ。しばらくすれば床全体があったまってくるから・・・」
とたびたび言っていたくらいです(笑)

 ある夜、新横浜駅あたりをバンドメンバーと走行中のことです。近辺は大掛かりな舗装工事中で、いたるところにマンホールがまるで
火山
火山
のように突き出していました。そしてその一つが結構な勢いで
op - コピー   
エンジン下、オイルパン
にヒット!車体全体が一瞬持ち上がったくらい、でした。
「やべっ!割れたか?」
思う間もなく突然作動し始める電磁ポンプ! カチカチカチ・・・始動時なみのピッチが続き、にわかに強烈なガソリン臭も漂ってきました。
「こ、これは漏ってる、いや撒いてる?火が出っかも!?」
すぐさまエンジンを切り、惰行で車を道端に寄せます。車を降りフードを開け暗い中(←ポンプが動いてしまうためキーONできない)チェックすると・・・
 燃料ホースが破れてガソリンダダ漏れ(!)でした。経年変化で硬化したホースが急激なエンジン全体の揺動で「割れて」しまったのが原因でした。
 そうと判れば車を置いて帰るほかありません。電車でえっちらおっちら帰り、自宅の軽自動車のエンジンルームから適当なホースを分捕り(!)バンドメンバーの車で現場に戻ります。
 ちゃっちゃとホースを差し替え、日付が変わらないうちに帰ることができました。翌朝、再チェックすると・・・
 適当なホースは耐ガソリン性がなく、ホース全体が膨らんでいました(!)
オイルパンには打痕がありましたがクラックはなし。もちろんホースは正しいものに交換しました。まあ無事でよかった・・・という話でした。

 ミッションについてもお話ししましょう。悪意ある向きは
「トラックのような」
と揶揄する長いシフトレバーですが、特にストロークが長いでもなく、シフトの重さをレバー比で稼いでいるでもなく、
茨城1750 003
「ステアリングから遠くないシフトノブ」
の実現のためそうなっていると感じます。またゲートの確実性といった面でも、直下にあるギアクラスターを自分で動かしている実感のある、ポジティブなミッションと思います。
 ただしNから1速へは慌てるとカリン!と車の「舌打ち」を聞くことになります。そこは焦らずそれこそ「冷えたバターに熱いナイフ」でジワリと入れて下さい。どうしても急ぐなら、一度2速を舐めてから、です。
 この、自分でギアの噛み合いを動かしている実感、これこそ現代の車が失ったもの(≒喜び)の筆頭ではないでしょうか?
 ダブルクラッチでシフトダウン、回転がばっちり合って
「吸い込まれるように」(=予測されたショックや抵抗感が全くなく)
入るシフトレバー、このぞくぞくするよな達成感を知らずにスポーツドライビングを語ることなかれ。
 ほとんどの車が横置きのFWDになってしまった今日、シフトリンク取り回しの自由度や静粛性、制振性のメリットのため、ロッドではない、自転車並み(!)の「ワイア・シフト」の車が増えました。いわゆる「オトシン」が優れている分、その感触も遮断されてしまうことになります。
 かくして、シフトレバーはタッチを楽しむべきデバイスから単なる切替スイッチに成り下がったのでした。
 初のミドシップKスポーツが出た時のことです。
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 そのカタログにはシフトストロークの短さを誇ると共にそれがさもスポーツである・・・といった記述がありました。後日実車に乗ってみると、確かにそのシフトは短いストロークでスパスパ入るものの、感触が全くない!
「さてはこの若い設計者氏、本物のスポーツカーに触れたことがないな・・・」
などと感じたものです。実際に新しいワイア・シフトの評価をベテランに委ねたところ、芳しい声は聞けず思わず漏れた言葉が
「これでもダメですか」
・・・という逸話もあります。ほとんどの車がATになった昨今、まあ
「シフトタッチ音痴」
が増えるのも致し方ないのかもしれませんね。

 F1におけるトラクションコントロールをはじめとするハイテク・ドライバーエイド。そのため「当てる」機会のなくなった・・・
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                        カウンターステア を
「もはや伝統芸能と化した・・・」
と言ったのは現役時代の片山右京
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(今や自転車プロチーム・オーナー)
ですが、重要なシフトテクニックである
ダブルクラッチ

(こんな映画もありました)
もその伝統芸能ぶりは、似たようなものでしょう(笑)
日本人チームが
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パノス
でルマンに行った時のことです。同車のアキレス腱、ミッションを保たせるため全員が努力していたレース中
「ミッションに負担をかけないシフトの方法を見つけた!」
と言っていたドライバーがいました。
「プロでそのレベルかよ・・・」
と思ったものです。速さはともかく(笑)自分、シフトのスムーズさにはちと自信があります。もちろん慣れた車限定ですが(笑)ダブルクラッチも常用します!その頻繁なクラッチワークの代償として
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 自車
11万キロ走行時クラッチペダルが折れましたが(T_T)
 トップ画像の補足ですが・・・
 
 国営企業にもかかわらず、何をとち狂ったかアルファは80年代
179.png 
自前の(!)F1チーム
 を持っていました。そして同じころ同社は自転車プロチームにも関与していたのでした。その時のチームジャージがこれです。超レアだと思います。走ってるのも売ってるのも見たことがありません。
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  1. 2013/09/06(金) 23:34:58|
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