カスタムバイク:Fホイール・アライメント

trail.png   
 とりあえず見た目機能的要件は満たすようになった
全5 
お買い物スケーター号
 ですが、その走行性能は・・・?
 これまでに経験のない特殊な車体です。試乗しつつの微調整いわゆる
ファインチューンには腐心しました。何より安全性のためです。

 まずブレーキ。
 しょぼいフロントアーチですがホイールの移動(後述)もありブレーキトルクのかかる方向が曲げから引っ張りに変わったからでしょう、思いのほか効くようになりました。リアの「ママチャリ」ブレーキも「キーキー音」なくちゃんと効きます。ただしそのRブレーキ本体の、フレーム側固定部分の精度に難があり(=ホイールをまっすぐ引けず)修正しました。
 加えて、タイアがタイアだけに(←接地性が良いとは言えない)無造作なブレーキングによる前輪スキッド転倒を防ぐため、常にRからブレーキが効きはじめるよう、左レバーをバーに近く、遊びも少なく調整しました。

 そして、やはりというべきか極端な小径タイアゆえ、操縦安定性には無視し得ない瑕疵がありました。
 安全のためその改善(=ハンドリングのアジャスト)をFホイール・アライメントの見直しからやることになりました。

 以前似たような話題を自分のロードバイク(カスタムマニア)項で取り上げたことがありますが、その続編ということで(笑)

 まず走らせてみると・・・
 直進性はかなりというか、相当低いです。スケーティング時はさほど感じませんがペダリング時、踏み込みの反作用による「蛇行」を抑えるのが難しいほどです。慣れない高齢者にはかなり危険なレベル、でしょう。「発散」して(=とっちらかって)しまうかもしれません。
 見ればオフセットゼロの超ショートフォーク。トレール値
(=ステアリング回転中心の延長線とタイア接地点の距離:トップ画像参照)はタイア半径×キャスター角分しかありません。

 直進性に影響を与える要素はそのトレールのほかあと3つ、
 前輪の慣性モーメント(=ジャイロ効果)と
 接地面の形状(=その縦横比が細長いほど外乱に強い)ですが
 どちらも小径ゆえ、直進性の助けは期待できません
(残る一つはホイールベースですが、これはいじれませんね)。
 さて困った。
 とりあえずいじれるのはトレールのみ。なんとかしてトレール値を増やさねばなりません。

 まずその方法の一つ、「キャスター角」を寝かせてみることにしました。
といってもフレームを切り繋いだり、炙って曲げたりはちょっと・・・(笑)
 ではどうするか?

 姿勢をいじります。オートバイの場合で言うなら
「リアの車高を下げる」
のです。といっても自転車に車高調整はついてません(笑)
 またどれくらい下げれば良いかも見当がつきません。そこで暫定的に・・・
 ホームセンターで売っているL字ステーを使い(←得意技!)30ミリ程度アクスル(=車軸)位置を上げて(←車高は下がる)固定してみました。
 ステー1枚分センターがずれている状態ですが試乗してみると・・・
 直進性には改善は見られましたが微々たるもの。不十分です。何より車高の変化でサイドスタンドが機能しなくなってしまうとか、大事なフロア平面が後傾してしまうとか弊害の方が大きく、この方法は却下です。
 あとリア廻りでできることは残っていません。なんとかフロントで勝負をつけるほかなくなりました。

 ここでFフォークのオフセット、トレール、キャスターについて少し・・・

 キャスター角はハンドリングの話題でよく聞くキーワードですが実はさほど重要ではありません。椅子の足についているキャスター
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あれこそはキャスター角0(90°)で
オフセット即ちトレールによって復元力(=直進性)のみを与えたものです。
進む方向に(180°近く回ってでも)収束し、安定するのはご存じでしょう。
BMWでのこんな実験も・・・
 R69.png
(ゼロキャスター、マイナスオフセットでトレールのみ与え・・・?)
 こうして見ればキャスター角とは、そのためだけではないとはいえ
「トレール値を現実的車体寸法に収めるためにある」
といってもいいでしょう。

 そう、重要なのはトレール値の方なのです。

 トレール値は大きいほど安定します。操縦性としては
「曲がり難くなる」
とも言えます。
 またオートバイの話になりますが・・・
 カワサキZ1は、その大きさと重さの割りには非常に軽快なハンドリング、と評価されていましたが、その秘密のひとつとして大きなフォークオフセット
(=少ないトレール)があったようです。
 そしてストリートでは良好なその特性もずっと高速になるレースの世界
sbpr.png  
(昔SuperBike Production Roadraceシリーズが人気を・・・)
 では「不安定」ということで、オフセットのずっと少ない、弟分Z650の
フォークブラケット(完全互換)に交換するのが常套手段となったとか。
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(ヘッドパイプ-フォーク間、向こうが見えるZ1と見えない650)
トレールの適正値は狙った速度域によっても違う、ということですね。

 自転車の話に戻しましょう。

 Fフォークのオフセットとは・・・
 フォークブレードを前方へ曲げることによって、前後方向の剛性を保ちつつ上下方向の剛性を落としサスペンション効果を狙うと同時に、通常の大径ホイールでは過大になりがちなトレール値を適正な範囲に収めるため、にあります。
trail2.png
(アメリカSchwinn社によれは、103ミリは過大ということになります)
言い換えれば、
サスペンションがあってホイール径がほどよく小径ならば
オフセットは要らない(=上図右と同じでよい)のです。
 これが、本来サスペンション効果が欲しいはずの小径車にストレート
フォークが多い理由です。
20.png 203.png  
  201.png 202.png
(見た目上は、よけい前後に詰まって見えますね)
 ちなみにショック吸収性を考慮した小径車用ベンドフォークの理想を追求するならば、ブレードを一度後方へ曲げそこから再び前方へ曲げ直す
「S字フォーク」
なんてのが考えられますが(笑)制作上の理由なのでしょう
(特製クラウンとか曲げ治具の問題とか・・・)実現は難しいようで
onda.png  
(小径車じゃない・・・)
ピナレッロのオンダフォーク以外(笑)見たことはありません。

 一方、「逆オフセット」の自転車もあります。

 「ドミフォン」です。
 バイクペーサーの後方で空気抵抗を減じた状態で超高速を維持しながら走るトラック競技です。ちなみにそのためのウルトラハイギアも備えます。
domifon.png 
(これはバイクペーサーではなく、なんとポルシェ935&ペスカローロ!)
「極限までペーサーに近づくため・・・」
と説明されてきましたが、実際には極限の直進性を求めて、だと自分は思ってます。
 だって曲がる必要ないんですから。

 そして買い物スケーター号にも、同様に「逆オフセット」を与えてみることにしました。
逆オフセット
(L字ステー・・・美的には大変不本意ながら、これで・・・)
 他車流用といっても、こ~んなに長いヘッドパイプのフォーク、なんざあるわけないし(笑)やはり「切り炙り」もできずリア同様、とりあえずL字ステーの「ホームセンタースペシャル」でテストです。
 30ミリ程度後方にオフセットさせました。シューの可動範囲を大幅に越えるのでとりあえずノーブレーキ(!)です。

 走らせてみると・・・
 これがなかなか調子いい!
「これなら・・・!」
と思えるくらい直進性は改善されています。

 ただし新たな問題も幾つか現れ、手放しには喜べない状態に・・・。
 長くなったので・・・To be continued.

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  1. 2014/04/29(火) 12:50:55|
  2. Bicicletta
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